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コラム

患者を破滅させ家族を崩壊させる「アルコール依存症」

up to date : 2019.10.15

院長 小林 晶子(内科・神経内科)

アルコール依存は「意志の弱さ」ではなく「脳の異常」

アルコール依存症とは、飲む量やタイミングなどお酒の飲み方を自分でコントロールできなくなった状態を指し、以前はアルコール中毒(アル中)と呼ばれ、意志の弱い人やだらしのない人が陥るものと思われていました。しかし、それは誤った認識であり、アルコール依存症とは、脳に異常が起きている状況。医療機関で治療が必要な病気なのです。
アルコール依存症は進行性の病気であり、精神依存に移行する「初期」から病的行動が始まる「中期」、人生が破綻し始める「後期」へと、徐々に進行。仕事中など、飲んではいけない状況でも隠れて飲酒するようになり、飲酒のために嘘をつく、家族を脅し、暴言・暴行といった粗暴な行為も。お金がなくなると、子供の貯金箱さえ壊して飲み代にしたりもします。

本人のみならず家族や周囲にも深刻な影響を及ぼす

アルコール依存症の恐ろしさは、家族や周囲にも深刻な悪影響を与えてしまうことです。
飲酒によるさまざまなトラブルに巻き込まれ、経済的問題や別居・離婚にも直面。子供がいれば、親の暴言や暴力、育児放棄により心身の発達に悪影響を受けます。欠勤や仕事上のトラブルで職場にも多大な迷惑をかけ、さらには飲酒運転などで重大事故を発生させる恐れも。しかも、患者さん自身は注意や説得に耳を貸さず、周りのせいにしてしまうのです。
アルコール依存症の原因は多量飲酒です。厚生労働省は「健康日本21」の中で、「多量飲酒」を「1日平均60gを超える飲酒」(ビール中ビン3本、日本酒3合弱、25度焼酎300ml相当)と明確に定義。また、遺伝要因、環境要因も関与すると推定されています。
アルコール依存症は完治せず、節酒も不可能。回復には「断酒」するしかありません。

「断酒」に必要なのは、医療機関での治療と継続に向けた活動

しかし、残念ながら家族の力で断酒させることは困難です。酒をやめさせようと干渉しすぎることが、かえって患者さんの飲酒への欲求を強めてしまうのです。
断酒に向けて重要なのは2点。1点目は、専門医療機関で診察・治療を受けること。入院期間中はソーシャルワーカーなどが患者さんや家族の相談にも対応します。患者さん自身が受診を拒否した場合、まずは精神保健福祉センターや保健所に相談しましょう。
2点目は、断酒の継続を目的とした自助グループへの参加です。退院後に再飲酒してしまう患者さんも少なく、安定した断酒生活を送れるまでには2~3年必要です。
大切なのは早期発見、早期治療。早期であれば健康や社会的影響が小さく、家庭の崩壊なども未然に防ぐことが可能です。本人がその気になれば、断酒しやすいのも早期の特徴です。

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