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コラム

腰痛や肩こりの治療法として注目される「筋膜リリース」

up to date : 2019.12.23

熊谷早希(整形外科)

肩こり、腰痛は日本の国民病

厚生労働省が発表している国民生活基礎調査の健康状況において、「腰痛」「肩こり」は男女ともにそれぞれ自覚症状の1位、2位となっています。特に現代ではPCやスマホの普及により、同じ姿勢での長時間の作業などから、肩こりや腰痛は増加傾向です。
しかし、多くの人がそれらの症状を抱えているにもかかわらず、実際に病院を受診する人の割合は2割に満たないと言われており、たかが腰痛、たかが肩こりと思い放置してしまうケースが多いため、体に負担がかかった状態が続きどんどん悪循環に陥ってしまっています。
そのような状況を改善し、それぞれのQOL(生活の質)を向上させていくためにも、できるだけ早い段階で適切な処置を行うことが必要です。

筋膜性疼痛症候群

全身の筋肉は、日々の仕事による繰り返しの動きやスポーツなどの激しい運動、加齢など、さまざまな要因により炎症や血行不良をきたし、筋肉を包んでいる筋膜という組織が硬くなったり周囲と癒着したりしてしまうことで動きが悪くなり、筋肉の動きを阻害してしまうため、体を動かすときに痛みを感じてしまいます。
この筋膜の癒着が慢性的な肩こりや腰痛の原因と考えられており、筋膜性疼痛症候群といわれています。骨格筋が存在するところであればどこにでも起こり得るものですが、好発部位としては姿勢を保つ筋肉に起こりやすいといわれています。この疾患は筋肉や筋膜に原因があるため、レントゲンやMRIなどの画像検査では明らかな異常は指摘できないものが多いです。
最近、この疾患の治療として注目されているのが「筋膜リリース」です。
筋膜リリースとは、癒着した筋膜を生理食塩水ではがしてあげることで痛みを緩和させるものです。治療はエコー(超音波)を用いて痛みのポイントを確認し、そこへ生理食塩水を注入して癒着した筋膜をはがし、筋肉をほぐします。
超音波は放射線の被爆の心配がなく、筋肉や血管だけでなく治療に使用する針先も確認できるため血管や神経を傷つけることなく行うことが可能で、基本的に生理食塩水を使うため、局所麻酔薬による副作用の心配もありません。効果は比較的すぐに実感でき、7~8割程度の疼痛が軽減されるといわれており、また、慢性的な肩こりや腰痛だけではなく、ぎっくり腰や寝違えなどの急性の筋肉痛にも著効します。