整形外科

その腰痛はヘルニア!? 腰椎 椎間板ヘルニアをMRI検査で可視化して診断

ビジネスパーソンの腰痛の原因の一つであるヘルニアについて、東京港区でヘルニアの診断を数多く行なっている整形外科専門医の小橋医師にMRI画像を使って解説してもらいました。

腰痛の際にMRI検査をする意味は?

その腰痛の原因がヘルニアかそうでないかを目で見てご納得頂いた上で診断することができます。ヘルニアかも?と思いながら生活するのはあまり気持ちが良くないですよね。腰痛の原因がヘルニアか否かを判断できれば、その後の対処も安心して行えると思います。仮に腰痛の原因がヘルニアでなければ姿勢に気をつけるだけで腰痛が治る場合もあります。

腰痛で整形外科に来院する方の症状や様子

腰椎 椎間板(ようつい ついかんばん)ヘルニアは30代からでも症状が出ることで有名な腰の疾患です。ただの腰痛だと思って近所の整形外科を受診し、レントゲンを撮ってみると骨に異常はなし。医師からはヘルニアの可能性はありますねと言われつつ、消炎鎮痛剤などの薬を飲みながら1ヶ月くらい様子を見るものの、痛みがなかなか治まらない。むしろ痛みがひどくなってきたり、足までしびれや痛みが広がってくる。一向に症状が改善しないので、MRIのある整形外科を検索して当院に辿り着いてくる。といった患者様が当院には多いです。

小さなクリニックでは珍しいMRI検査がすぐにできる整形外科

大学病院や総合病院には一般的にMRI検査の設備がありますが、都心の小さなクリニックで受診当日*にMRI検査ができるような整形外科はそれほど多くないと思いますので、港区や中央区以外の方も当院にお越し頂いているのだと思います。
*症状や予約状況により当日のMRI検査ができない場合もあります。

MRI検査で腰椎 椎間板ヘルニアを可視化!ヘルニアってどうなっている?

腰のMR検査は通常30分程度で終了します。診察の際は必ずレントゲンも撮ります。レントゲンでは主に骨の状態を確認しますが、MRI検査では骨は内部の組織まで見ることができ、背骨のクッション材となっている椎間板、神経の様子、靭帯、筋肉まで詳細に確認することができます。

痛みの原因、ヘルニアを発見!

こちらがヘルニアのMRI画像なのですが、ここの出っ張りがわかりますか?

背骨の間からブニュと出ているものが見えますね。これが正式にはヘルニエーションと呼ばれるヘルニアの所見です。背骨と背骨の間には繊維輪と髄核(ずいかく)から構成されている椎間板というクッション材があるのですが、この椎間板の中からジェル状の髄核が繊維輪を突き破って出てきてしまい、神経を圧迫することで腰に痛みが生じます。なお、背骨の後ろにある白いものは水で、腰椎骨の後ろに水の管が白く写っています。黒い筋は神経で、背骨の後ろ側は水道管の中に神経が入っているようなイメージです。

ヘルニアの状態をMRI画像で輪切りにして確認すると…

仰向けで寝ている患者様のヘルニアの状態をMRI画像で輪切りにして確認してみます。ここでもこの背骨の間からブニュっと出てきている髄核が確認できますね。ちなみにヘルニアのない場所を輪切りにして確認してみると髄核が飛び出していない正常な状態であることがわかります。

日本整形医学会のチラシで補足

ここに日本整形医学会が発行しているチラシがあるのですが、腰やお尻、足までしびれが出ているようなヘルニアの典型的な症状が解説してあります。MRI画像と照らし合わせてみると、イラストの通りであることがわかります。腰から出ている神経は足までつながっているので、腰の神経が押されてしまうと、足自体はどこも悪くないはずなのに、足まで痛くなってしまうのです。

どんな人がヘルニアになる?

ヘルニアの原因は加齢によるものが多いのですが、重いものを急に持ち上げたり、しばらく休んでいた筋トレを再開した時にデットリフトなどで追い込みすぎてしまったり、運転やデスクワークによる座りっぱなしなど、腰への負担が原因となることが多いのですが、タバコをよく吸う人や、特に腰に負担がかかっていない普通の人でもヘルニアになることがあります。

ヘルニアになった場合の対処法

基本的にはヘルニアと診断された後は消炎鎮痛剤や神経痛の薬を数週間飲んで頂き、様子を見て頂きます。薬がなくなってきた頃に再来院して頂き、炎症が治まってきているようであれば薬を減らすなどをし、引き続き様子を見て頂きます。このような再診を何度か繰り返し、数ヶ月通院される頃に痛みがほとんどなくなる患者様が多いです。一般的には薬を飲み始めてから2〜3週間で少しずつ症状が改善する方が多いです。薬に頼らずに我慢する人もいますが、痛みは我慢しても改善する見込みがあまりないので、仕事に差し支えるほどの痛みを腰に感じたら整形外科を受診することをおすすめいたします。

自己治癒を助けてくれるマクロファージ

ヘルニアにより髄核が繊維輪を破って出ていると、マクロファージという自己治癒をしてくれる免疫細胞が痛みの原因となるヘルニアを食べてくれ、神経の圧迫がなくなり症状が良くなることもあります。

牽引や電気は効果がある?

ヘルニアの治療に骨盤の牽引や電気治療を行うこともありますが、東京のビジネスパーソンは忙しく診察の後すぐに仕事に戻ることも多いため当院ではやっていません。ヘルニアは投薬で症状が十分改善することが一般的です。必要に応じて姿勢を保持するベルトをおすすめすることはあります。

もしもヘルニアが重症化してしまったら

何をやっても痛い、動けない。ここまで症状が悪化した場合は手術が必要です。動けないほどの激痛で救急車を呼ぶ方や足が麻痺してしまう。あるいは膀胱直腸障害といってヘルニアによって神経が麻痺し、排尿障害がでることもあります。ヘルニアの痛みがまだ歩ける程度の場合はほとんどのケースで症状が改善しますので、早めに診断してもらいましょう。

ヘルニアの予防法はある?

日ごろからできる予防法としては、正しい姿勢、ストレッチ、適度な筋トレ、腰に負担のかかる急な運動を避ける、などでしょうか。椎間板の老化は早く20代から亀裂が入りますので、成人の方はどなたでも、いつヘルニアになってもおかしくない状態にあり、10代の学生さんでもヘルニアになることもあります。ヘルニアは再発することもありますが、薬で炎症を抑え、痛みの症状を改善することができますので、腰痛が気になったら一度最寄りの整形外科に相談してみてください。

この記事を監修した医師整形外科専門医 小橋医師

このような方はご相談ください

  • 腰のMRI検査を受けたい
  • ヘルニアかどうか知りたい
  • 腰痛が続いている