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再生医療

アキレス腱が痛い!アキレス腱障害について整形外科の専門医がわかりやすく解説

歩いたり、スポーツをしていたりして、アキレス腱やその周囲に痛みを感じたことはありませんか?その痛みはアキレス腱障害と呼ばれる病気かもしれません。
アキレス腱障害には、アキレス腱そのものに起こる痛みや、かかとの骨とのつなぎ目に起こる痛みなど、いくつかのタイプがあります。
アキレス腱障害の原因・症状・診断・治療法について、専門医がわかりやすく解説します。
このコラムを読むことで、自分の状態を把握し、適切な行動を取れるようになります。

アキレス腱について

アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉(ヒラメ筋と腓腹筋)から、かかとの骨(踵骨)につながる腱で、人体で最も太く強い腱です。
ふくらはぎの筋肉が一つにまとまり、アキレス腱としてかかとに付いています。歩いたり、走ったりする際の蹴り出しなどに重要な役割を果たします。

アキレス腱障害とは?

アキレス腱障害とは、歩いたり走ったりなどの運動時にアキレス腱やアキレス腱の付着する踵部に痛みが生じる状態のことです。
スポーツ愛好家だけでなく、オフィスワーカーなどの中高年にも生じます。全人口のうち約2%が発症するとされており、決して珍しい病気ではありません。そのうち約50〜60%はスポーツを行っている人に発症し、特にランナーでは一般の人に比べて約7倍以上発症しやすいと報告されています。
アキレス腱障害は、痛みの出る場所によって大きく2つに分けられます。

  • アキレス腱症(腱に起こる障害)
  • アキレス腱付着部障害(かかとの骨とのつなぎ目に起こる障害)

さらに、アキレス腱付着部障害は、下記の2つの病態に分けられます

  • アキレス腱付着部症
  • 踵骨後部滑液包炎

原因

アキレス腱障害の原因には、大きく内的要因と外的要因の2つがあります。

内的要因

加齢、遺伝、糖尿病や関節リウマチなどの基礎疾患、肥満、ステロイドの長期投与などがあります。

外的要因

トレーニング内容や負荷量、ウォーミングアップやクーリングダウンの不足、足に合わないシューズなどがあります。

主な症状

アキレス腱障害はアキレス腱周囲に痛みが生じます。発症初期は押すや当たる際の痛みであったり、動き出しの痛みだったりします。
病状が進行すると運動後の痛みや運動中の痛みとなり、スポーツに支障が生じます。さらに進行すると、痛みをかばって足を引きずるような歩き方になり、跛行(はこう)と呼ばれる状態になることもあります。

検査

アキレス腱障害の診断は身体診察や画像検査などによって行います。

  • 視診:赤みや腫れなど、見た目の変化を確認します。
  • 問診:痛みが出る動作や時間帯、経過などを詳しくうかがいます。
  • 触診:痛みのある場所を実際に触れて確認します。

骨や腱周囲の状態を確認するために、以下のような画像検査を行います。

  • X線(レントゲン):骨の出っ張りや石灰化などの有無を確認します。
  • MRI:アキレス腱の肥厚や周囲の炎症の程度などを評価します。
  • エコー:アキレス腱の付着する踵骨(しょうこつ)の状態や周囲の異常な血管の新生の有無などを確認できます。

上記の画像はアキレス腱の様子を当院のMRIで実際に撮影したものです。

アキレス腱障害の治療

大きく分けて手術を行わない保存療法と手術療法に分けられます。最初は保存療法を行います。約80%の症例で症状が緩和するとされています。
ただし、6〜12ヶ月間保存療法を行っても症状が改善しない場合には手術療法を検討します。

保存療法

以下の治療方法を組み合わせて治療を行います。

  • 生活指導:原因となっているトレーニングの中止や局所の安静などを行います。急な動きでも症状が増悪するため、急な動きを避けるように指導します。
  • 装具療法:痛みが強い場合にはサポーターなどで短期間の固定を行う場合があります。インソールなどを用いて、足部アーチをサポートしたり、アキレス腱の負荷を軽減したりします。
  • 薬物療法:消炎鎮痛薬や湿布薬など
  • 注射療法:トリガーポイント注射やステロイド注射、ヒアルロン酸注射、PRP(多血小板血漿)注射などを検討します。
    ※ステロイド注射は、腱をもろくする可能性があり、競技レベルによってはドーピングの対象となることがあります。
    ※PRP(多血小板血漿)療法や体外衝撃波治療は、自費診療となります。
  • 運動療法:アキレス腱や足の指をストレッチ、力を出しながら伸ばされる動きである遠心性収縮運動などを行います。
  • 物理療法:体外衝撃波治療を行う場合もあります。病変部に生じた異常な神経や血管を減らし、組織の修復に必要な神経や血管を新たに作るのを促すとされています。※体外衝撃波治療は自費診療となります。

手術療法

保存療法を行っても、症状が改善せず日常生活に支障をきたした場合に手術療法を検討します。
手術方法としては、内視鏡を用いての骨切り術やアキレス腱の再建術などがあります。

まとめ

アキレス腱障害は、スポーツをしている人だけでなく、日常生活を送る中でも起こりうる身近な疾患です。
多くの場合は手術を行わない保存療法で改善が期待できますが、痛みを我慢して使い続けると長期化することがあります。
アキレス腱やかかとの痛みが続く場合は、早めに専門医に相談し、自分の状態に合った治療を受けることが大切です。

この記事を監修した医師整形外科専門医 鈴木医師

このような方はご相談ください

  • アキレス腱が痛い
  • 運動を頻繁にしている
  • かかとや足首に痛みがある