この記事の内容
当院で事務職員の小笠原がはじめて脳ドックを受けました。この記事ではその体験談をお伝えしたいと思います。実際にMRI検査を担当した野澤放射線技師が、はじめて脳ドックを受ける方への質問に回答しています。
脳ドックを受けようと思ったきっかけは?
長時間のデスクワークが原因なのか、肩こりや目の疲れからくる頭痛を1、2年くらい前から感じるようになりました。2児の父でもあるので、安心するためにも職場で受けられる脳ドックを自分も受けてみようと思いました。
健康状態は?
34歳、170センチ、体重78キロのガッチリ体型です。30分以上の運動は週に2回以上行っています。学生時代からずっと運動部で体力だけが取り柄でしたが、30歳をすぎて体重が急増してしまいまいました。。(汗)
MRI検査を開始
早速、健診着に着替えて脳ドックを行うことになりましたが、野澤放射線技師から検査前の注意事項について説明がありました。
検査前の注意事項
・アクセサリーなどの金属類を外す
・検査中に体を動かさない
・検査音が大きいので注意
どうしても気分が悪くなったりしたら!?
ブザーをお渡ししますので、ブザーを押してください。すぐに検査を中止しますので安心してください。
脳ドックってそもそも何?
脳の病気を予防、早期発見するたに、MRIであらゆる角度から脳の状態を輪切りにして確認する検査です。自覚症状のない脳腫瘍や血管の異常、脳動脈瘤や動脈硬化などを発見できることも多いです。通常、脳のMRI検査は医師が必要と認めた時のみに行うのですが、脳ドックは自分の意志で検査できる自由診療の予防検査です。高血圧、脂質異常、糖尿病などの人は血管がもろくなりやすいので、そのような方には特にはおすすめです。また、日本脳ドック学会が推奨している項目を検査していないと、MRIで脳の状態を検査していても脳ドックとは呼べずに、脳検査ということになります。
実際のMRI検査の様子は?
受検者様にMRIの中に入って頂いた後は、検査のセッティングを行い撮影を開始します。出来上がった画像を放射線技師がチェックして医師に提出し、診断を行ってもらいます。検査中に病気を発見した場合は医師にすぐに報告し医師の指示で追加の画像を撮ることもあります。まれに撮影している方が寝てしまって寝相で体が大きく動いてしまい、撮影をやり直すこともあります。
脳ドック以外にも脳の検査はある?
CT検査や核医学検査などがあります。例えば核医学検査は大学病院で行うことの多い検査ですが、病気の部分に集まりやすい放射性物質の入った特殊な薬を注射し、体から放出される放射線を機械でキャッチし病気の大体の位置を特定するといったようなものです。鮮明な画像で診断するMRI検査とは性質が異なり、別の視点から脳の状態を知ることができます。
知られていない脳ドックでできる首の血管のMRI検査
意外と知られていませんが、脳ドックでは首の血管の状態も診断できます。上の写真は実際に首の血管の様子を撮影しているものです。首の細い血管に、血管を詰まらせてしまう原因となるプラークや石灰化している部分が発見された場合は脳ドックの後にエコーで精密検査を受けて頂き、診断することもあります。
気になる脳ドックの金額は?
脳ドックは自由診療なので、医療機関が独自に金額を設定していますが、相場としては2〜5万円くらいでしょうか。金額の違いは何かというと、2万円の検査は一般的にMRI検査で撮影する箇所が少ないことが多いです。逆に5万円の検査では首の血管の撮影やエコー検査、動脈硬化の血液検査なども含まれていることなどがあります。参考までに当院の脳ドックは30,800円(税込)で行なっています。
脳ドックに事前準備は必要?
事前準備は特に必要ありません。検査の予約をした後は来院後に問診を書いて頂く程度です。以前、脳梗塞などの異常があった場合は事前に他機関での脳ドックの過去歴などお伝えいただけると検査がスムーズです。
もしも異常が見つかったら?
当院の場合は脳神経外科を行なっておりますので、すぐに脳神経外科で診断することが可能です。その後は医師の診断にて処置を決定いたします。脳ドックを希望される方はその医療機関で脳神経外科も併設しているかを事前に確認してみてください。
結果はどのように確認できる?
MRI検査の時点で緊急性の所見があればすぐに脳神経外科の医師に報告しその後の処置をお伝えいたします。そのような場合は検査後すぐにお伝えする場合もありますし、当日中にお電話をさせて頂くこともあります。特に異常が見受けられなかった場合は、上に掲載している写真のように、実際の脳の様子がわかる画像を添付した検査報告書を後日郵送しています。健康診断と一緒に脳ドックを行った場合は健診の結果と一緒に報告書をお送りします。報告書に掲載されている画像には、医師の発見した所見の部分にわかりやすく印をつけてお渡ししています。
当日の所要時間は?
脳ドックの所要時間は1時間程度です。来院後、問診や同意書に記入して頂き、身体計測と診察の後、MRI検査を20分前後受けて頂く全ての時間を含んでいます。
次の脳ドックはいつやるべき?
特に異常が見受けられなかった場合はご自身の判断で決めて頂くことにはなりますが、日常生活に異常のない所見があった場合はB判定となり、そのような方は経過観察のために年1回程度の検査をおすすめしています。B判定よりも深刻な所見があった場合はそのまま脳神経外科へご案内しますので、医師の指示に従って頂きます。
目を開けるのか、閉じるのか? 実際受けた脳ドックの感想は!?
最初は宇宙船のポットに入るようで、少しワクワク感がありました。一番最初に思ったことは目を開けていればいいのか、閉じた方がいいのかですね。検査が始まると同時に大きな音がしましたが、ヘッドホン越しに流れてくる音楽で途中から慣れてきました。動かないようにしていると眠くなっていき、気がついたら検査が終わっていました。
意外だったことや不快感は!?
ガガガ…ビュービューといった機械の音は想像以上に大きかったです。頭を固定するためのお面のようなものもしましたが、こういうものもあるんだな、という程度で特に不快に感じたことはそれほどありませんでした。
検査するかはご自身の判断でOK
40歳を過ぎていてまだ一度も脳ドックを受けていない方には検査をおすすめしますが、基本的には、生活習慣や遺伝的な脳の病気が気になる場合など、ご自身で受けたいと思った場合に検査を受けてください。
それでいいのですね。自分の場合は学生時代、運動中に頭にボールが当たることも多かったですし、20代の頃とは違う頭痛や衰えも感じてきたので受けてみました。骨折や風邪などは自覚症状があるのでいいのですが、頭の中はわかりませんので。結果はまだですが、脳をすみずみまで検査してもらったという安心感と満足感はありました。結果に異常がないことを期待します!
結果は後日郵送でお渡しいたします。おつかれさまでした。
この記事を監修したスタッフ野澤 放射線技師
このような方はご相談ください
- 脳のMRI検査を受けたい
- 親が脳梗塞になった
- 頭痛が続いている