この記事の内容
健康診断などでひっかかった場合に医療の一環として管理栄養士からの食事指導やカウンセリングが受けられることはご存じでしょうか。当院で栄養指導をおこなっている矢治 管理栄養士に話を聞きました。
管理栄養士と普通の栄養士はどう違う?
一般的な栄養士は学校や保育園、地域のイベントなど、健康な人に対して栄養、食事指導などを行いますが、管理栄養士は、病気の人に対して医療の専門知識を持ち、症状からの回復、治療の一環として栄養、食事の指導を行うことができます。
管理栄養士の栄養指導はどんな感じ?
治療の一環としてのカウンセリングとなるので、なんらかの病気や症状を抱えた方で、医師から栄養指導の指示があった方が対象となります。実際のカウンセリングでは、仕事の忙しさや、夜勤が続いているのかなど、患者様がどのような生活を送っているのかを詳しく確認し、ライフスタイルの全体像を把握させて頂きます。食事の習慣、嗜好や回数も一人として同じケースがありませんので、食生活についてももちろんお聞きします。症状の回復後に患者様がどうなりたいかまでを確認できた上で、血液検査や身体測定などの結果と照らし合わせながら具合的なアドバイスをさせて頂きます。また、一般的な栄養指導は医療的な診療ではありませんが、医師の指示の上で管理栄養士から栄養指導を受ける場合には保険診療が適用されます。
具体的な栄養指導の内容とは
具体的には、食材の選び方、コンビニで食事を買う場合の選び方、おひとりお一人の食事にあわせた調理の仕方、必要であればサプリメントや補助食品の提案なども行います。栄養指導と聞くと、これを食べちゃダメ、というダメダメ指導をされるように感じるかもしれませんが、栄養士業界でもダメダメ指導は良くないとされており、あくまでも患者様の生活に寄り添ってその方が目指すところに辿り着くためのご提案をさせて頂きます。
薬の処方などもある?
ありません。栄養指導はあくまでもアドバイスですので、カウンセリングのあとに食事をどうされるかはご本人様次第ということになります。定期的に受診いただくことで、管理栄養士の観点から継続的にサポートさせて頂きます。
印象的だった患者様はいますか?
かなり高い血糖値を推移されていたご高齢の方で、そもそもどんな食事がいいのか悪いのかをほとんどわかっていらっしゃらなかった方がいました。カウンセリングの際には実際に調理を行うご家族にも同席して頂き、1年間かけて食生活の改善に取り組んだことがあります。食事以外にも薬の併用もありましたが、最終的には右肩下がりで血糖値が下がり、症状が改善したことがあります。
身近な食べ物の相談もOK?
はい。もちろんです。今は情報化社会であらゆる健康情報が溢れていて何が正しいのかがわからなくなっている方が非常に多いです。例えば筋トレ後にプロテインはどのくらい飲めばいいのか、1日の断食は本当に健康なのか、加工肉や化学調味料の危険性など、気になる食事に関する疑問などは何でもご相談ください。
管理栄養士のカウンセリングはいつ受けるべき?
食事は基本的にご本人様の意志に委ねられますので、体調を崩された時や健康診断の後などに、食生活を改善しなくては、と思った時が一番だと思います。栄養士と話す機会はそれほど多くないと思いますので、栄養士に会うことで普段とは違う気持ちになり、食生活改善のスイッチが入ることもあるようです。